とある県境の海辺の町「孫不知」(まごしらず)には、目には見えないひと「うみさん」たちが昔からすんでいるらしい。 そのひとは時折、町の人のとなりに遊びにくるという。
ツイッターのモーメントにまとめていたものを、こちらでもまとめます。
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同人誌版(本文と描きおろしを加えたもの)はおしらせブログから。
うみさんは、死が近い人には、姿が見える。
死に近いと姿が見える貴方が、どうしてまた見えてしまった。
ころがりこんできた。 はじめての鍋。
「「「「うわああーーーっ!!!」」」」(この後全員放り出される)
いろいろ教えてほしがるので、仕方なくつきあう。
チサトの昔の教科書だったり、うみさんがちまちまこっそり貯めていた本だったり。
うみさんとチサト。 二人とも不器用。
今回はチサト(黒い髪の方)がケーキをワンホール食べてみたかった。
(同人誌版より一部本文)
犬神さまダイエット奮闘記。
遠くの犬の神さんなんだけど、遊びに来る度にでかくなってるし、海の景色を歩きたいと言うわりに歩かないし、動かそうとするとなんかもう(この犬の神さんは人の言葉を話すので)「それがんばれがんばれ」とか言ってくる。
拡大。
「鍋をかこんでみたい」
「良い景色のところを知りたい」
「流行りの本を読んでみたい」
「ケーキを1ホール食べたい」
「外国の文字を教えて」
説得されて病院へ行く。「一緒に来てくれるなら、病院行ってもいいけど。」
うみさんの姿が見えているということはつまりそういう事なので、うみさん自身に大分襟首つかまえられて来た。
今日もちゃんとおくすり飲めたねシート。
「「当たりだああーーっっ!!!」」
ご近所さんなんかが訪ねてきたりすると、すごいうるさい。
「お話だ!あ、この"白い人"って私ですか?」
足癖が悪い上に、恥ずかしくて答えてくれないってんで、ずっと背中ふみふみしている。
それでももうすぐ朝がくる。
雪の日の夜のおしゃべり。
おやすみなさいのダンス。
死が近い人には見える。そうでない人には見えない。
また見えるようになったのは、数十年後。
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